中医学を知る

繋がっているココロとカラダ

数千年の歴史を持つ先人たちの知恵である
「中医学」(中国伝統医学)について紹介します

  • 中医学とは
  • 中医学の特徴
  • 中医学の歴史
  • 中医学の診断

中医学はバランス医学

中医学(中国医学)は中国の伝統医学で、東洋を起源とする伝統医学「東洋医学」の一つです。
中国古代哲学の影響を受けた生理学、病理学、薬学などの基礎理論と、数千年にわたる膨大な臨床経験に基づいています。

その特徴は「病気と人をみる医学」である点です。

人間を内臓や臓器、器官のような部位の集まりとしてみるのではなく、それぞれが互いに関係し合い、まとまりをもった個体と考え、一人ひとりの異なる体質、発病の原因と経過を分析する方法も特徴的です。

そして何よりも病気になる前の“未病”(わずかな不調がある病気の前の段階)から病気に進ませない、これからの時代に最も必要とされる予防医学でもあるのです。

 

 

中医学には、以下の3つの特徴があります。

整体観(バランス医学)                                
中医学の特徴のひとつは、その「整体観(せいたいかん)」にあります。
人体は、自然界から様々な影響を受けています(外部環境、気候、ストレスなど)。
また一方で、人体それ自身も自然とバランスを取りながら、内部でさまざまな部位が影響し合っています。
一種の「バランス医学」と言えます。

弁証論治(オーダーメイド医学)
2つ目の特徴に「弁証論治(べんしょうろんち)」があります。
この特徴は、患者さん一人ひとりの体質や、病気の原因、発病のプロセス(病因病機)を分析して証を決定し、それにあった適切な治療法を選んで治療を行っていくというものです。まさに「オーダーメイド医学」です。

未病先防(予防医学)
とは、養生法により、病気が発症する前に体質を見ながら対応していく、未然に防ぐという考え方です。
これは病気にかかりにくい体質を作る「予防医学」という中医学独特の考え方です。

 

 

 

中医学(中国伝統医学)の発祥はおよそ4000年も以前にさかのぼります。
広大な中国大陸で、異なる風土・環境の中、長期にわたる疾病との闘いの経験を総括したものです。

前漢の時代(紀元前200年頃)には医学書として「黄帝内経(こうていだいけい)」がまとめられました。
その後、後漢の時代(~250年頃)に「傷寒雑病論(しょうかんざつびょうろん)」が張仲景(ちょうちゅうけい)により編纂されました。
この二つの書が中医学の理論の原点となっています。

中国から日本へ伝統医学が伝来したのは、中国の隋、唐の時代(7世紀頃)です。
日本は飛鳥時代にあたり、隋や唐へ人員を派遣し、様々な学問や文化、政治制度などが伝来した時期にあたります。

医学としては「傷寒雑病論」が伝えられました。

その後、「傷寒雑病論」を基に、平安時代に日本で初の医学書「医心方(いしんほう)」が
丹波康頼(たんばやすより)により編纂されました。
当時の医学はあくまでも天皇や上層階級のみのものでした。

中医学と日本に伝えられた漢方は、それ以降、発展の方向がまったく違っていきました。
中国では「黄帝内経」、「傷寒雑病論」以降も、様々な医学書や処方が生み出され、
その時代ごとの流行病なども検証され、新たな治療法が医学体系に組み込まれていきました。

すなわち中医学の理論体系は、生まれた当初から常に発展しているといえます。

中医学の診断は、四診(ししん)と呼ばれる診断方法が基本です。

四診(ししん)は、病気の性質および状況を把握する4つの方法です。
それぞれ固有の役割があり全体的に結び付けて体の詳しい情報を知る手掛かりとしていきます。

四診には、望診(ぼうしん)・聞診(ぶんしん)・問診(もんしん)・切診(せつしん)があります。

 

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氣血水について